宮沢賢治

宮沢賢治『風がおもてで呼んでゐる』

note朗読は引っ越しました「橋本美佳の朗読の部屋」

『風がおもてで呼んでゐる』  宮沢賢治

風がおもてで呼んでゐる
「さあ起きて
赤いシャッツと
いつものぼろぼろの外套を着て
早くおもてへ出て来るんだ」と
風が交々叫んでゐる
「おれたちはみな
おまへの出るのを迎へるために
おまへのすきなみぞれの粒を
横ぞっぽうに飛ばしてゐる
おまへも早く飛びだして来て
あすこの稜ある巌の上
葉のない黒い林のなかで
うつくしいソプラノをもった
おれたちのなかのひとりと
約束通り結婚しろ」と
繰り返し繰り返し
風がおもてで呼んでゐる

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note2011年7月9日(土)・10日(日)
「宮沢賢治へのオマージュ」

大阪府豊中市日本民家集落博物館 「南部の曲屋」
ビデオ放映 07月09日(土) 11時~、13時30分~
朗 読 会  07月10日(日) 11時~、13時30分~
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note2011年7月29日(金)
東日本復興支援チャリティコンサート「未来への伝言」~ひとりひとり・・ひとりじゃない~
自由学園明日館(重要文化財)
昼の部 1時半~  夜の部 6時半~
前売¥3,000  当日¥3,500
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宮沢賢治『なめとこ山の熊』

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『なめとこ山の熊』  宮沢賢治

なめとこ山の熊のことならおもしろい。なめとこ山は大きな山だ。淵沢川はなめとこ山から出て来る。
なめとこ山は一年のうち大ていの日はつめたい霧か雲かを吸ったり吐いたりしている。まわりもみんな青黒いなまこや海坊主のような山だ。
山のなかごろに大きな洞穴ががらんとあいている。そこから淵沢川がいきなり三百尺ぐらいの滝になってひのきやいたやのしげみの中をごうと落ちて来る。 
中山街道はこのごろは誰も歩かないから蕗やいたどりがいっぱいに生えたり牛が遁げて登らないように柵をみちにたてたりしているけれどもそこをがさがさ三里ばかり行くと向うの方で風が山の頂を通っているような音がする。
気をつけてそっちを見ると何だかわけのわからない白い細長いものが山をうごいて落ちてけむりを立てているのがわかる。それがなめとこ山の大空滝だ。
そして昔はそのへんには熊がごちゃごちゃ居たそうだ。

つづきはこちらで・・・→「青空文庫」

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note6月18日(土)
「第9回 朗読の日」 銀座博品館劇場
Bグループ(16:00~19:00)出演
1 2
公演のお問い合わせチケットお申込みはお気軽に・・こちらまで。。

note「朗読カフェの時間です!」
「京都三条ラジオカフェ」(FM79.7MHz)
http://radiocafe.jp/←こちらでラジオを聴く事ができます!
毎週金曜日 pm12:07~pm12:10

『6月の放送予定』
6月は宮沢賢治特集です!

6月 3日 「眼にて云ふ」       橋本美佳
6月10日 「白菜畑」       中村幸恵
6月17日 「林と思想」「休息」 西村在子
6月24日 「ポランの広場」「ポラーノの広場」 菊地朋美

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宮沢賢治『馬』

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宮沢賢治『馬』

いちにちいっぱいよもぎのなかにはたらいて
馬鈴薯のようにくさりかけた馬は
あかるくそそぐ夕陽の汁を
食塩の結晶したばさばさの頭に感じながら
はたけのへりの熊笹を
ぼりぼりぼりぼり食っていた
それから青い晩が来て
ようやく厩に帰った馬は
高圧線にかかったように
にわかにばたばたいいだした
馬は次の日冷たくなった
みんなは松の林の裏へ
巨きな穴をこしらえて
馬の四つの脚をまげ
そこへそろそろおろしてやった
がっくり垂れた頭の上へ
ぼろぼろ土を落としてやって
もんなもぼろぼろ泣いていた

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note6月18日(土)
「第9回 朗読の日」 銀座博品館劇場
Bグループ(16:00~19:00)出演
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『6月の放送予定』
6月は宮沢賢治特集です!

6月 3日 「眼にて云ふ」       橋本美佳
6月10日 「白菜畑」       中村幸恵
6月17日 「林と思想」「休息」 西村在子
6月24日 「ポランの広場」「ポラーノの広場」 菊地朋美

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宮沢賢治『眼にて云ふ』

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『眼にて云ふ』   宮沢賢治

だめでせう
とまりませんな
がぶがぶ湧いてゐるですからな
ゆふべからねむらず血も出つづけなもんですから
そこらは青くしんしんとして
どうも間もなく死にさうです
けれどもなんといゝ風でせう
もう清明が近いので
あんなに青ぞらからもりあがって湧くやうに
きれいな風が来るですな
もみぢの嫩芽と毛のやうな花に
秋草のやうな波をたて
焼痕のある藺草のむしろも青いです
あなたは医学会のお帰りか何かは知りませんが
黒いフロックコートを召して
こんなに本気にいろいろ手あてもしていたゞけば
これで死んでもまづは文句もありません
血がでてゐるにかゝはらず
こんなにのんきで苦しくないのは
魂魄なかばからだをはなれたのですかな
たゞどうも血のためにそれを云へないがひどいです
あなたの方からみたらずゐぶんさんたんたるけしきでせうが
わたくしから見えるのは
やっぱりきれいな青ぞらと
すきとほった風ばかりです。

note2011年6月18日(土)「第9回 朗読の日」 
銀座博品館劇場
Bグループ(16:00~19:00)出演
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宮沢賢治『注文の多い料理店 序』

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宮沢賢治『注文の多い料理店 序』

わたしたちは、氷砂糖をほしいくらいもたないでも、きれいにすきとおった風をたべ、桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。 
またわたくしは、はたけや森の中で、ひどいぼろぼろのきものが、いちばんすばらしいびろうどや羅紗や、宝石いりのきものに、かわっているのをたびたび見ました。 
わたくしは、そういうきれいなたべものやきものをすきです。 
これらのわたくしのおはなしは、みんな林や野はらや鉄道線路やらで、虹や月あかりからもらってきたのです。 
ほんとうに、かしわばやしの青い夕方を、ひとりで通りかかったり、十一月の山の風のなかに、ふるえながら立ったりしますと、もうどうしてもこんな気がしてしかたないのです。
ほんとうにもう、どうしてもこんなことがあるようでしかたないということを、わたくしはそのとおり書いたまでです。 
ですから、これらのなかには、あなたのためになるところもあるでしょうし、ただそれっきりのところもあるでしょうが、わたくしには、そのみわけがよくつきません。
なんのことだか、わけのわからないところもあるでしょうが、そんなところは、わたくしにもまた、わけがわからないのです。 
けれども、わたくしは、これらのちいさなものがたりの幾きれかが、おしまい、あなたのすきとおったほんとうのたべものになることを、どんなにねがうかわかりません。   

大正十二年十二月二十日                        宮沢賢治

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『4月の放送予定』

4月 1日 宮澤賢治「雨ニモマケズ」  橋本美佳
4月 8日 宮澤賢治「春と修羅」(mental sketch modaified)  志摩欣哉
4月15日 高村光太郎「智恵子抄」ヨリ  中村幸恵
4月22日 壱葉千鶴・作「紙の糸」  菊地朋美

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宮沢賢治『おきなぐさ』

note朗読は引っ越しました「橋本美佳の朗読の部屋」

宮沢賢治『おきなぐさ』

うずのしゅげを知っていますか。 
うずのしゅげは、植物学ではおきなぐさと呼ばれますが、おきなぐさという名はなんだかあのやさしい若い花をあらわさないようにおもいます。 
そんならうずのしゅげとはなんのことかと言われても私にはわかったようなまたわからないような気がします。 
それはたとえば私どもの方で、ねこやなぎの花芽をべんべろと言いますが、そのべんべろがなんのことかわかったようなわからないような気がするのと全くおなじです。
とにかくべんべろという語のひびきの中に、あの柳の花芽の銀びろうどのこころもち、なめらかな春のはじめの光のぐあいが実にはっきり出ているように、うずのしゅげというときは、あの毛こん科のおきなぐさの黒朱子の花びら、青じろいやはり銀びろうどの刻みのある葉、それから六月のつやつや光る冠毛がみなはっきりと眼にうかびます。
続きはこちらで→ 「青空文庫」

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『3月の放送予定』

3月 4日 「宮沢賢治へのオマージュ<賢治への旅立ち>(手紙)』&
       賢治の詩「耕母黄昏」   志摩欣哉
3月11日 宮沢賢治「注文の多い料理店 序文」 橋本美佳
3月18日 高村光太郎「智恵子抄」 中村幸恵
3月25日 夢野久作「狸の与太郎」 網干美樹
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宮沢賢治『ざしき童子のはなし』

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『ざしき童子のはなし』 宮沢賢治

ぼくらの方の、ざしき童子のはなしです。

あかるいひるま、みんなが山へはたらきに出て、こどもがふたり、庭であそんで居りました。大きな家にたれも居ませんでしたから、そこらはしんとしています。
ところが家の、どこかのざしきで、ざわっざわっと箒の音がしたのです。
ふたりのこどもは、おたがい肩にしっかりと手を組みあって、こっそり行ってみましたが、どのざしきにもたれも居ず、刀の箱もひっそりとして、かきねの檜が、いよいよ青く見えるきり、たれもどこにも居ませんでした。
ざわっざわっと箒の音がきこえます。
とおくの百舌の声なのか、北上川の瀬の音か、どこかで豆を箕にかけるのか、ふたりでいろいろ考えながら、だまって聴いてみましたが、やっぱりどれでもないようでした。
たしかにどこかで、ざわっざわっと箒の音がきこえたのです。
も一どこっそり、ざしきをのぞいてみましたが、どのざしきにもたれも居ず、ただお日さまの光ばかり、そこらいちめん、あかるく降って居りました。

こんなのがざしき童子です。

続きはこちら→「青空文庫」

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note『お国言葉で語りっこ』
2月27日(日) 午後1時半~ ・午後2時半~(各回45分)
川崎市立日本民家園 旧菅原家住宅
(民家園の入園料 大人500円が必要です)

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『3月の放送予定』

3月 4日 「宮沢賢治へのオマージュ<賢治への旅立ち>(手紙)』&
       賢治の詩「耕母黄昏」   志摩欣哉
3月11日 宮沢賢治「注文の多い料理店 序文」 橋本美佳
3月18日 高村光太郎「智恵子抄」 中村幸恵
3月25日 夢野久作「狸の与太郎」 網干美樹
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宮沢賢治『手紙 四』

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宮沢賢治 『手紙 四』

わたくしはあるひとから云いつけられて、この手紙を印刷してあなたがたにおわたしします。
どなたか、ポーセがほんとうにどうなったか、知っているかたはありませんか。
チュンセがさぱりごはんもたべないで毎日考えてばかりいるのです。
 ポーセはチュンセの小さな妹ですが、チュンセはいつもいじ悪ばかりしました。
ポーセがせっかく植えて、水をかけた小さな桃の木になめくじをたけておいたり、ポーセの靴に甲虫を飼って、二月もそれをかくしておいたりしました。
ある日などはチュンセがくるみの木にのぼって青い実を落としていましたら、ポーセが小さな卵型のあたまをぬれたハンケチで包んで、「兄さん、くるみちょうだい。」なんて云いながら大へんよろこんで出て来ましたのに、チュンセは、「そら、とってごらん。」とまるで怒ったような声で云ってわざと頭に実を投げつけるようにして泣かせて帰しました。

続きはこちらで→『青空文庫』

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2月4日(金)より「朗読カフェの時間です!」が始まります♪
「京都三条ラジオカフェ」(FM79.7MHz)
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毎週金曜日 pm12:07~pm12:10

『放送予定』
2月 4日 サトウハチロー「ことばはやさしく美しくひびきよく」 菊地朋美
2月11日  創作詩「足音」 中村真穂
2月18日 高村光太郎・智恵子抄「深夜の雪」 中村幸恵
2月25日 川龍之介「詩集」 志摩欣哉
3月 4日 宮沢賢治「注文の多い料理店 序文」 橋本美佳
3月11日 夢野久作「狸と与太郎」 網干美樹

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宮沢賢治『手紙 三』

note朗読は引っ越しました「橋本美佳の朗読の部屋」

宮沢賢治『手紙 三』

普通中学校などに備え付けてある顕微鏡は、
拡大度が六百倍乃至八百倍ぐらいまでですから、
蝶の翅の鱗片や馬鈴薯の澱粉粒などは実にはっきり見えますが、
割合に小さな細菌などはよくわかりません。
千倍ぐらいになりますと、下のレンズの直径が非常に小さくなり、
従って視野に光があまりはいらなくなりますので、
下のレンズを油に浸してなるべく多くの光を入れて物が見えるようにします。
二千倍という顕微鏡は、数も少くまたこれを調節することができる人も幾人もないそうです。
いま、一番度の高いものは二千二百五十倍或は二千四百倍と云います。

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『放送予定』
2月 4日 サトウハチロー「ことばはやさしく美しくひびきよく」 菊地朋美
2月11日  創作詩「足音」 中村真穂
2月18日 高村光太郎・智恵子抄「深夜の雪」 中村幸恵
2月25日 川龍之介「詩集」 志摩欣哉
3月 4日 宮沢賢治「注文の多い料理店 序文」 橋本美佳
3月11日 夢野久作「狸と与太郎」 網干美樹

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宮沢賢治『手紙 二』

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宮沢賢治『手紙 二』

印度のガンジス河はあるとき、水が増して烈しく流されていました。
それを見ている沢山の群集の中に尊いアショウカ大王も立たれました。
大王はけらいに向って
「誰かこの大河の水をさかさまにながれさせることのできるものがあるか」
と問われました。
けらいは皆「陛下よ、それはとても出来ないことでございます」と答えました。
ところがこの河岸の群の中にビンズマティーと云う一人のいやしい職業の女がおりました。大王の問をみんなが口々に相伝えて云っているのをきいて
「わたくしは自分の肉を売って生きているいやしい女である。
けれども、今、私のようないやしいものでさえできる、まことのちからの、大きいことを王様にお目にかけよう」と云いながらまごころこめて河にいのりました。

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