« 宮沢賢治『よだかの星』③ | トップページ | 宮沢賢治『やまなし』 »

宮沢賢治『虔十公園林』

note朗読は引っ越しました「橋本美佳の朗読の部屋」

『虔十公園林』  宮澤賢治

虔十はいつも縄の帯をしめてわらって杜の中や畑の間をゆっくりあるいているのでした。
雨の中の青い藪を見てはよろこんで目をパチパチさせ青ぞらをどこまでも翔けて行く鷹を見付けてははねあがって手をたたいてみんなに知らせました。
けれどもあんまり子供らが虔十をばかにして笑うものですから虔十はだんだん笑わないふりをするようになりました。
風がどうと吹いてぶなの葉がチラチラ光るときなどは虔十はもううれしくてうれしくてひとりでに笑えて仕方ないのを、無理やり大きく口をあき、はあはあ息だけついてごまかしながらいつまでもいつまでもそのぶなの木を見上げて立っているのでした。
時にはその大きくあいた口の横わきをさも痒いようなふりをして指でこすりながらはあはあ息だけで笑いました。

noteランキングに参加しています。
にほんブログ村 小説ブログ 朗読・リーディングへ
ポチっと応援よろしくお願いいたします。。

|

« 宮沢賢治『よだかの星』③ | トップページ | 宮沢賢治『やまなし』 »

宮沢賢治」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1431852/38002127

この記事へのトラックバック一覧です: 宮沢賢治『虔十公園林』:

« 宮沢賢治『よだかの星』③ | トップページ | 宮沢賢治『やまなし』 »